工場内の盲点「エレベーター」にも目を向けよう

現在、大抵の食品、包装資材、医薬品などの製造工場では昆虫由来の異物混入対策として防虫管理を行っています。

防虫管理を行う上で重要なのは、昆虫の動態を把握するとともに侵入経路、発生源、生息箇所、移動・分散経路などを知ることです。

近代的な製造工場では大規模化や多層化、バリアフリー化が進み、それにともなって人用や物用のエレベーター（以下、EVとする）が多く使われるようになってきました。

EVは非常に便利なものですので、工場内の様々な場所に設置されています。
また、EVは汚染作業区域だけに設置されているわけではなく、清潔作業区域付近や場合によってはその内部に設置されていることがあります。

しかし、その一方で、我々にとって非常に便利なこのEV（ピット、シャフト、かご）を昆虫類も発生源や生息箇所、移動・分散経路として利用しているということが最近になってわかってきました。

EV（特にEVピット）に関する問題には、

などがあります。

ところが、大抵の製造工場においてEVはしっかりと（防虫）管理されていません。

それはなぜでしょうか？

この理由として、今までは実際に昆虫類がEVを利用しているということがわかっていなかったため、ずっとグレーゾーンになっていたということが挙げられます。
つまり、EVの存在自体を意識していなかったり、その存在に気付いていたとしても無視したり、放置してきたということです。

しかし、EVピットに潜んでいる多数の昆虫類は、いつでも製造エリアに侵入でき、最終的に製品等に混入する危険性を孕んでいます。
工場内にある全てのEVは、いつまでもグレーゾーンにしておかずに防虫管理の対象区域として認識する必要があるのです。
したがって、EVにおいても他のエリアと同様、定期的なモニタリングを継続し、異常があれば然るべき方策を講じる、などの管理を行うことが望ましいのです。

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