昆虫の生態を知って防除に役立てよう!

ゴキブリ

ゴキブリ

異物混入,防虫管理,内部発生昆虫,生態,防除

 

ゴキブリは、ゴキブリ目(Blattodea)に属する昆虫の総称で、英名はcockroach(あるいは単にroach)です。
日本では約50種が知られていますが、そのうち人間の生活環境で不快がられ問題となっているのは、チャバネゴキブリ、クロゴキブリ、ワモンゴキブリなど、せいぜい5〜6種です。

 

成虫の体長は大体10〜40mmで、体は楕円形、ないしは長方形を呈し、細長い触角を備えています。
また扁平で、後方尾部に1対の尾毛があります。
口器がよく発達し、食物をかじって摂食します。
翅は原則として2対ありますが、無翅のものもいます。ちなみに幼虫は全て無翅です。
有翅のものでも飛翔能力はそれほど高くありません。

 

元々熱帯性の昆虫で、全世界の温暖な地方に分布していますが、近年は寒冷な地域にも定着してきました。
野外性種と屋内性種があり、野外性種は森林の朽ち木や落葉中に住む分解者で、腐植物や菌類などを食べて生活しています。
屋内性種は基本的に雑食性で、台所や洗面所など建物内の暗くてジメジメした場所を好み、生ゴミや残飯など何でも食べます。
雑食性で広い食性を持ちますので、様々な食品を食べますが、それと同時にサルモネラ菌や赤痢菌といった食中毒菌を媒介しますので衛生害虫としても重要視されています。
主として夜に活動し、触角と尾毛を使って餌を探します。

 

ゴキブリは不完全変態ですので、蛹の時期がありません。
卵は卵鞘の中に数十個産み出されます。
クロゴキブリの雌は卵鞘を産み落としますが、チャバネゴキブリの雌は幼虫が孵化するまで保持します。
幼虫期には脱皮を繰り返し、5〜8齢を経て成虫となります。
1世代の期間(寿命)は長く、6か月〜2年に及びます。

 

ゴキブリ対策では、物理的防除として、床置き式粘着トラップが最も一般に使用されています。これには誘引剤付のタイプがあります。
他には、整理・整頓・清掃によりゴキブリが住みにくい環境を造ったり(環境整備)、外部からの侵入に備え、隙間埋めを行ったりします。

 

一方、化学的防除としては、ピレスロイド系エアゾール剤燻煙剤が一般家庭ではよく用いられています。
食品工場や大量調理施設のような大規模な食品関連施設では、PCOによってピレスロイド系の乳剤有機リン系MC剤などが散布されています。
また、飲食店や小規模な店舗では、ヒドラメチルノンやフィプロニル配合のベイト剤が多用されています。
一般家庭では昔ながらのホウ酸団子も使われています。

 

ゴキブリ防除はこれらを効率良く組み合わせて実施しますが、
複数の飲食店や商業店舗が隣り合って入っている商業施設で、
ゴキブリ防除を実施するのは困難を極めます。
一店舗のみでゴキブリ防除に成功してもまたすぐに近隣の他店舗からゴキブリがやって来るからです。

 


飲食店の厨房におけるチャバネゴキブリ駆除の動画です。

 


駅のマンホールからクロゴキブリが大量に出てきて通行人がパニックになっています。


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ゴキブリ対策


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