昆虫の異物混入事故を防ぐ

防虫管理

Insect pest management/control

防虫管理記事一覧

最近よく耳にする総合有害生物管理(IPM)とは何か?

総合有害生物管理,総合有害生物防除,IPM IPMはIntegrated Pest Managementの略で、日本語では「総合的有害生物管理」や「総合的有害生物防除」と訳されます。これは30年ほど前に、アメリカの農業分野において殺虫剤の使用を最小限に抑えるために考え出された手法です。概念としては、複数の防除法を合理的に組み合わせ、害虫と害虫...

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防虫管理はどのような流れで進めるべきか?

異物混入防止,防虫管理,流れ,フロー 一昔前、日本の害虫駆除業者(以下、PCOとする)と言えば一般家庭におけるシロアリやゴキブリ、ネズミの防除が主な業務内容であり、売り上げ内容の中でもそれらが非常に大きなウェイトを占めていました。しかし現在、その傾向は徐々に変化し、食品工場や包材工場、医薬品工場、精密機器工場など様々な「製造工場」や「商...

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防虫管理におけるモニタリングとは?

モニタリング,昆虫相調査,防虫管理 モニタリング(monitoring)は、一般には「監視すること、また観察し、記録すること」とされており、モニタリングという言葉は実際に様々な業界で使用されています。したがって、本来ならこのモニタリングという言葉も、○○のモニタリングと呼ばれるべきだと思います。例えば昆虫のモニタリングなら昆虫モニタリ...

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モニタリングのメリットとは?

モニタリング,メリット,防虫管理 モニタリングは総合的有害生物防除(以下、IPMとする)を行う上で最も重要な項目であり、モニタリングなしにIPMはありえないほどなのですが、では食品工場等においてモニタリングを行うことには一体どのようなメリットがあるのでしょうか?防虫管理従事者は、モニタリングには様々な利点があるということをすでに知っ...

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モニタリングトラップの同定・カウントについて

モニタリング,ライトトラップ,床置き粘着トラップ,防虫管理,同定,カウント 食品工場などで昆虫モニタリングを実施していたら定期的にライトトラップ(捕虫紙)や床置き粘着トラップを回収しますよね。ではトラップを回収したらその次は何をしますか?モニタリングデータを取り、結果を分析しなくてはなりませんね。そのためには、まずそれぞれのトラップに捕獲された昆虫が何であるのかを調べなくて...

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モニタリング結果から何がわかるのか?

昆虫,モニタリング,結果,防虫管理 食品や医薬品、包材等の製造工場で定期的に行われている昆虫のモニタリングによって得られる一次データは、各トラップで捕獲された昆虫の個体数(頭数)のみです。この一次データは単に各トラップにおける捕獲個体数の多少を示しているに過ぎないのです。しかし、一次データを蓄積し、解析することで様々な情報を得ることが...

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昆虫モニタリングに使用するトラップ

モニタリング,トラップ,防虫管理 防虫モニタリングに使用するトラップは実に様々なものがあります。トラップとは昆虫を捕獲するためのツールで、そのほとんどが昆虫の本能的な習性や、昆虫が刺激に対して取る定位行動を利用しています。習性を利用したものには、ゴキブリ○イ○イのようなスティッキートラップ(床置き式粘着トラップ)やピットフォールトラ...

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ライトトラップについて

モニタリング,飛翔性昆虫,ライトトラップ,防虫 昆虫モニタリングでは様々なトラップを使用しますが、その中でも使用頻度がエース級なのはライトトラップです。ムシポンMPX-2000posted with カエレバベンハー芙蓉 Amazon楽天市場オプトクリンVI 壁付け金具付き 飛来害虫誘引捕虫器posted with カエレバイカリ消毒 Amazo...

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ライトトラップ本体の耐用年数

ライトトラップ,本体,耐用年数,寿命 粘着式ライトトラップ(捕虫器)に使用されているBLランプの交換は6か月ごとに行っていますか?捕虫器 ムシポン用 誘虫ランプ 20W 【ムシポン MPS-2000/MP-2200 取替用】 FL20SBLposted with カエレバ ベンハー Amazon楽天市場BLランプの昆虫誘引性能は...

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ライトトラップ本体交換の目安

ライトトラップ,本体,交換,寿命 工場や飲食店に設置してあるライトトラップにはこのような症状は出ていませんか?1. BLランプの寿命が極端に短くなる2. BLランプのつきが悪くなる。例えば点滅状態が長く続く、もしくは一部しか光らなくなる3. BLランプ交換の際、工場内のブレーカーが落ちる4. BLランプ交換の際、BLランプが一瞬で飛...

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床置き式粘着トラップについて

モニタリング,スティッキートラップ,床置き粘着トラップ 床置き式粘着トラップは、スティッキートラップや床置きトラップ、粘着トラップなど様々な呼び方がありますが、一般に、紙でできたゴキブリ○イ○イのような三角形をした徘徊性(歩行性とも言います)昆虫用のトラップのことを指します。一般家庭では主にゴキブリ捕獲用として誘引餌(または誘引剤)付きのものがよく用いら...

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床置き式粘着トラップを紛失させないアイデア

防虫モニタリング,床置式粘着トラップ,スティッキートラップ 床置き式粘着トラップ(スティッキートラップ)を回収する際、・前回設置した箇所から移動している・誰かに踏みつけられてぺちゃんこになっている・結局見つからない・ゴミ箱に捨てられている・濡れてベトベトになっているなどの事例がよく見られます。ここで問題なのは、前回トラップを設置した箇所にそのトラップが設置時...

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フェロモントラップとは?

異物混入防止,防虫管理,フェロモントラップ 一般に昆虫は視覚(体色、光、動作など)、聴覚(発音)、触覚(直接触れ合う)などの感覚や情報化学物質を利用して仲間(同種)や異種とコミュニケーションを行っています。この同種または異種生物間に作用する情報化学物質のことをセミオケミカルと呼びます。セミオケミカルを大別するとアレロケミカル(他感作用物質)と...

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フェロモンを用いて害虫管理を行うメリット

フェロモントラップ,モニタリング,防虫管理,昆虫相調査 フェロモンを用いて害虫管理を行った際の利点として、以下の点が挙げられます。・目的とする害虫以外の生物(天敵や鳥、魚、人間など)に無害・自然界で容易に分解され、環境汚染の心配が無く、扱いが安全で簡単・抵抗性が発達しにくい・天候にあまり左右されないこのようにフェロモンには他の化学物質にはない様々な利点が...

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インスペクションとは?

インスペクション,工場診断,定期点検,視察 各種製造工場で総合的有害生物管理(以下、IPMとする)を実施する上で、絶対に欠かせない項目にインスペクションがあります。インスペクションとは、目視により工場(製造環境)の内側と外側をくまなく調査・点検し、ハード面、ソフト面に関する問題点をピックアップするということです。工場の状態を事細かにチェックす...

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インスペクションのツール

インスペクション,ツール,調査 製造工場等においてインスペクションを実施する際は実に様々なツールを用います。服装は、工場もしくはインスペクションを行うエリアの清浄度(クリーンレベル)に合わせる必要があります。屋外や倉庫を調査する場合は、日常の作業着でも問題ありませんが、充填室、包装室など、清浄度の高い環境ではそれなりの恰好をする必...

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インスペクションを行う際に忘れがちなポイント

インスペクション,防虫診断,点検 インスペクションは工場内だけでなく工場の外側でも行う工場内(製造環境)の防虫管理ということなので、どうしても内部に目が行ってしまうのですが、昆虫は外部に多数生息していますし、外からたくさんやってきます。したがって、工場敷地内での昆虫の生息状況を把握し、どのような箇所から昆虫が工場内に侵入してくるのか...

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PCOと契約する際の確認事項

害虫駆除業者,PCO,契約,防虫 防虫管理は専門の害虫駆除業者(以下、PCOとする)に任せているから工場側は何もしなくてもいいと考えている工場(防虫担当者)は意外と多いです。しかし、防虫管理の基本的な方針は工場側で決めて、工場側が定めた管理基準値以下となるように管理する必要があります。またPCOは契約した以上は、そうなるようにサポー...

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防虫担当者とPCOの関係

防虫管理,製造業者,PCO,害虫駆除業者 食品工場や医薬品工場の防虫担当者は、防虫管理業務を品質管理等の本業の片手間にやっていることが多いような気がします。このような場合、どうしても本業に時間を取られてしまうため防虫管理はおざなりになってしまいます。また、防虫管理の実施には、有害生物(昆虫やネズミなど)の種類や生態、殺虫剤の種類や特性、様々...

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製造業者にとって異物混入はリスクなのか?

製造業者,異物混入,リスク 近年、日本で起こった食品の安全・安心に関する問題を簡単に挙げてみたいと思います。まず1996年に堺市でO-157による集団食中毒事件が起きました。これは学校給食での出来事でしたが、この事件で数名の生徒が死亡しました。次に2000年には大手乳製品加工メーカーが黄色ブドウ球菌による集団食中毒事件を引き起...

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異物混入におけるリスクマネジメント

異物混入,昆虫,リスクマネジメント 異物混入とは読んで字のごとく、製品中に異物が混入することです。そして異物には、昆虫、人毛、獣毛、ガラス片、樹脂、石、金属、動物の糞、植物、殺虫剤、微生物などありとあらゆるものが含まれます。HACCP的には、製品の品質表示欄に記載されていなければ何であろうが異物と言えます。また昆虫や人毛など、生物由来...

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昆虫の食品への混入によるトラブル

異物混入防止,昆虫,混入,トラブル,食品 昆虫が食品等から発見される事例は非常に多いです。昆虫の食品への混入事故は、穀物や穀粉におけるトラブルは意外と少なく、麺類、パン、菓子類などの加工食品や落花生、アーモンド、クルミなどのナッツ類にトラブルが多いです。そして、その多くはスーパーマーケットなどの小売店で購入された食品です。穀物や穀粉にトラブ...

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カタラーゼ活性試験とは?

カタラーゼ試験,異物検査,分析 食品や医薬品をはじめとする各種製品において問題となる異物混入の中では、昆虫や毛髪がそれぞれ圧倒的に大きな比重を占めています。特に混入異物となる昆虫は生き物であるため、他の異物とは異なり自発的な行動や繁殖能力を持ちます。したがって、その混入経路の解明や混入時期および場所の判断には知識と経験が必要となり...

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防虫担当者・品質管理担当者必見!昆虫由来異物の送付方法

異物混入,昆虫,混入,トラブル,混入経路,送付方法 昆虫由来の異物混入事故が起きた場合、発見者(消費者や納入先など)は製造業者のもとに当該製品、あるいは当該異物(昆虫)のみを送ります。その検体を受け取った製造業者が、もし検査分析を外部の専門家(分析機関など)に依頼するのであれば、その検体を破損しないようにそのままの状態で持参、あるいは送付することが重...

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原料、中間品、製品に混入した昆虫類の抽出方法

原料,中間品,製品,異物,抽出 もし昆虫由来の異物混入クレームが発生した場合、混入経路の推定、混入原因の究明などのための検査が必要となります。その場合はまず、異物混入クレームの原因となった検体以外の混入昆虫や昆虫の脱皮殻および排泄物などの有無、そして納入された商品ロットの他の全ての商品ロットついて、その他昆虫等混入の有無を確認しな...

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食品害虫のかじる能力

異物混入防止,防虫管理,穿孔能力,食品害虫 昆虫にはかじったり穴を開けたりする能力、つまり穿孔能力を持つものが多数存在します。特に、甲虫はほとんどのものが成虫期や幼虫期、あるいはその両期間ともに、穿孔性を持ちます。食品害虫を例に挙げてみますと、ナガシンクイムシやシバンムシ、コクヌスト、ツヅリガ、カツオブシムシ、コクゾウムシなどにかじる力の著し...

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防虫包装とは?

異物混入防止,防虫管理,包装,穿孔能力 一般に包装資材と言えば、機械的強度と害虫遮断性が重要視されますが、防虫包装用の包材に対しては、何よりも機械的強度の高いことが要求されます。軟式包装(軟包装)の場合、乾燥食品害虫をテスターとした生物試験の結果、害虫遮断性が高いことが実証されたフィルムは、いずれも共通して突刺ピンホール強度、衝撃強度、磨...

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外部から工場に侵入する昆虫

外部侵入昆虫,飛翔性昆虫,徘徊性昆虫,飛来,持ち込み,付着 各種製造工場では驚くほどたくさんの生物が侵入・生息しています。それはダニのような微小なものから鳥類やネズミといった小動物まで実に様々です。ここでは各種製造工場で問題となる主要な昆虫、特に外部から侵入するものについて説明します。例えば、ユスリカやクロバネキノコバエ、タマバエのような小型ハエ類(いわゆる...

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工場内への昆虫の侵入を阻止するには

防虫構造,昆虫,侵入,防止,防虫管理 工場内に侵入してくる昆虫は実に多種多様ですが、大まかに次のように分けることができます。・光や色に誘引されて侵入する昆虫・食品や化学品等の臭気に誘引されて侵入する昆虫・冬場に暖を求めて侵入してくる昆虫・気流に乗じて侵入してくる昆虫(差圧、陰圧)・人や物に付着して侵入してくる昆虫(付着侵入、持ち込み)・...

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光と色による害虫管理

害虫管理,光,色 大抵の昆虫(特に飛翔性昆虫)は光に集まる習性を持ちますが、これを正の走光性(趨光性;photodromy)と言います。もちろん負の走光性を持つ昆虫もおり、これは幼虫に多いです。昆虫の可視波長域は、およそ300〜600nm(ナノメートル)で、人間の400〜700nmよりも短波長側に100nm程ずれてい...

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光源管理(ライトコントロール)事始め

昆虫,光,習性,光源管理,ライトコントロール 自然界においてほとんどの昆虫(特に飛翔性昆虫)は光に集まる習性がありますが、これを正の走光性(趨光性;photodromy)と呼んでいます。もちろん中には負の走光性(光から遠ざかる、光を避ける性質)を持つ昆虫もおり、これは特に幼虫に多いです。ここで言う光とは波長が400nm(ナノメーター)以下の光(...

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昆虫と光の関係

昆虫,光,関係 夜にコンビニや自動販売機のガラス面にびっしりと付着した大量の昆虫。夏にはそんな光景を見ることが多いのではないでしょうか。また、今まで特に昆虫には困っていなかった工場で、近所のパチンコ店がつぶれたことにより、昆虫の飛来が多くなった例があります。これは、パチンコ店が夜遅くまで営業していてくれたおかげで近...

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昆虫を寄せにくいナトリウム灯

異物混入防止,防虫管理,ナトリウム灯 ナトリウム灯には、高圧ナトリウム灯と低圧ナトリウム灯があります。低圧ナトリウム灯の黄色(オレンジ色)の光は、目に最も感じ易い波長555ミリミクロンの光に近いので、非常に見やすく、霧の中でもよく透過します。また、効率が高く経済的な光源であるため、この特性が買われて道路照明等に広く利用されています。ただ...

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黄色に防虫効果はあるか?

防虫フィルム,防虫カーテン,高速シャッター,飛翔性昆虫,紫外線,色,防虫 ほとんどの昆虫、特に飛翔性昆虫は光に向かう性質を持ちます。これを正の走光性と言います。夏の夜にコンビニや自動販売機の光に誘引され、ガラス面に付着しているおびただしい数の昆虫をイメージして下さい。昔は「飛んで火にいる夏の虫」と言われましたが、夜間に高速道路を走りながら思うのは「飛んでヘッドライトに向か...

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工場で問題となる昆虫の飛翔性

飛翔性昆虫,飛来,飛翔力 ひとたび工場内に飛来侵入した昆虫は、広い空間を絶食に耐えながら1〜数日間飛び回り、思いがけない所で製品に迷入(混入)します。徘徊性昆虫(歩行性昆虫)は大抵の場合、何か(壁など)に沿って行動しますが、飛翔性昆虫は空間全体にわたって活動するためその防除は徘徊性昆虫に比べてはるかに困難です。したがって、工...

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工場でよく問題となるクモ

異物混入防止,防虫管理,クモ,工場 一般にクモは益虫と言われていますが、そんなクモでも食品や医薬品、化粧品などの製品に異物として混入していたら困ります。そして、残念ながらクモは製品への混入事故の原因となることがよくあります。そういう意味では、例え益虫であれども経済的、衛生的、心理的な被害を引き起こす可能性があるため、防虫管理を行ってい...

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昆虫の温湿度や二酸化炭素濃度などに対する習性

昆虫,習性,温度,湿度,二酸化炭素濃度 これについては一般に良く知られた蚊を例に挙げて説明したいと思います。蚊の雌が吸血源探索のために二酸化炭素を(CO2)を感知することはよく知られています。しかしながら、実は蚊の雌は、二酸化炭素以外に皮脂や汗、ホルモン、アミノ酸などの臭い、暖かく湿った空気などに非常に敏感に反応します。そしてこれらの刺激...

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昆虫が工場内へ侵入するのを防ぐには?

昆虫,侵入防止,防虫対策 一般に屋外(工場敷地内)における防虫管理としては、侵入防止対策として外壁や出入口への忌避剤処理や、発生源対策として緑地帯・浄化槽などへの殺虫剤処理が実施されてきました。しかし、薬剤を使用した化学的防除のみでは昆虫の発生および内部への侵入を防ぐことは非常に困難です。昆虫の侵入を阻止するためには、様々な...

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どんなサイズの昆虫までが管理対象となるのか?

異物混入防止,防虫管理,対象 医薬品はその製品形態もさることながら、使用される状況からも食品と比べると混入異物は格段に発見されやすく、医薬品工場ではどれほど微小であっても異物混入は許されません。これに対し、食品はかなり曖昧な要素があり、加工食品については医薬品に準じた管理方法論が必要であるにもかかわらず、異物に対する発見者側の寛...

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工場外部の点検も忘れずに

異物混入防止,防虫管理,工場外部,点検,調査 製品に異物として混入する昆虫には、意外と工場外部で生息しているものが多いです。これらは外部侵入(型)昆虫と呼ばれ、一般に搬入出口のような大きな開口部から侵入し、工場内部でさらに奥まで移動分散します。最終的には製品の充填室や包装室まで到達し、異物として製品に混入してしまうのです。外部侵入昆虫の中でよく...

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緑地帯の害虫管理

異物混入防止,防虫管理,緑地帯 一定規模以上の製造工場(特定工場)は、工場立地法により、敷地内に一定割合以上の緑地等の環境施設を設けることが義務付けられています。しかし、その緑地帯に植えられた植栽で発生、あるいは生息し、工場内に侵入する昆虫もいるので厄介です。例えば、食料として植物を利用する昆虫には、葉を食べるチョウやガの幼虫(い...

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昆虫と植物の関係

防虫管理昆虫,植物,関係 昆虫と植物は古くから共に進化してきた仲であるため、非常に関係が深いです。お互いに危害を加えることもありますが、利用もしています。昆虫は大きく分けて三つの面で植物を利用しています。1. 食事の場として食植性の昆虫にとって植物はエサになります。捕食性、寄生性の昆虫にとっては餌となる食植性の昆虫と接触でき...

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昆虫の樹木に対する好み

,防虫管理,昆虫,樹木 緑豊かな森から砂漠や南極、高山帯などの極地にまで、昆虫はあらゆる環境下で生息しています。しかし、昆虫の生息個体数が最も多い環境は、植物がよく茂る森林や草原です。昆虫と植物は共に進化・共存してきたため非常に深い関係であり、お互いに有害となることもありますが、利用もしています。植物は昆虫にとって食事の場...

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工場内部で発生する昆虫

内部発生昆虫,生息,繁殖,多発生 工場内部で発生可能な昆虫の種類は、外部から侵入する昆虫と比べて圧倒的に少ないですが、時々爆発的に増えることがあるため危険度はこちらの方が高いと言えます。また工場内の至るところで捕獲される外部侵入昆虫と異なり、内部発生が可能な昆虫は局所的に発生するのも大きな特徴です。そのため、資材倉庫や製造工程では捕...

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ゾーニングの意味を再考する

異物混入防止,防虫管理,ゾーニング ゾーニングとは、食品工場などの製造施設内をゾーンごとに区分することを言います。これは製造工程や各エリアの機能別、製品別に区分されることもありますが、一般的には衛生レベル(清浄度や汚染度別)によって区分されることが多いです。食品を製造する施設におけるゾーニングを例に挙げてみましょう。食品製造施設にてゾ...

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工場で昆虫を管理するとはどういうことか?

防虫,管理,バリアー性,ゾーニング,異物混入防止 「工場で昆虫を管理する」とは一体どういうことなのでしょうか。ここでは食品工場を例にとり、工場における昆虫管理について少し考えてみたいと思います。食品工場における品質管理という意味では、微小な昆虫と言えどもれっきとした「異物」と見なし、そのように取り扱う必要があります。昆虫が混入した製品は不良(欠陥製...

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製造環境の指標となる昆虫類

異物混入防止,防虫管理,指標,昆虫 指標生物とは、様々な環境の条件や汚染レベルを調べる際に用いる、ある特定の条件に敏感な生物のことを指します。植物や微生物などもこれに含まれますが、河川の汚染具合を調べる際の水生生物(主に昆虫)の例が特に有名です。この指標生物を用いた環境調査は誰でも簡単に行うことができるので、最近では校内行事の一環とし...

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製造工場で化学的防除を実施する際に考慮すべきこと

製造工場,化学的防除,防虫対策,殺虫剤 近年、アメリカやその他の害虫駆除先進国ではGPM(Green Pest Management;GMPではないことに注意!)という言葉が生まれ、より環境に優しい防虫管理への取り組みが提唱されています。しかしながら、日本の各種製造工場等においては残念ながらまだまだそれらの導入・実践には至っていません。未...

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薬剤の保管と処理の仕方

殺虫剤,殺鼠剤,薬剤,保管,処理 近年は、有害生物管理のDIY化が進み、それに伴って個人でもホームセンターや通販などで簡単に殺虫剤や殺鼠剤などの薬剤が手に入るようになりました。また、コストを削減するために外注していた殺虫等の作業を自社で行う製造業者も増えてきました。確かに薬剤は容量用法さえ守れば、特に難しいことはなく誰にでも簡単に扱...

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用途に応じた殺虫剤の選定

殺虫剤,選定,防虫,異物 食品や医薬品、包装資材等の製造工場では、農業害虫対策や感染症防圧のための衛生害虫対策の場合とは異なり、防除対象となる昆虫種を特定の種に絞ることはできません。そのため、異物として製品に混入する可能性がある全ての昆虫類が防除の対象となります。まず、汚染作業区域(汚染区、汚染エリアなど)ですが、この区域は...

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なぜ海外進出日本企業は現地で日本式防虫管理が必要なのか?

異物混入防止,防虫管理,海外,日本企業,現地法人 現在、日本の製造業者は、安い原材料や労働力を求めて海外、特にアジアの新興国に進出し、様々な物を製造しています。しかし、安価な原材料や現地採用の従業員を用いて製造された品々も、結局は日本もしくは日系企業によって利用や消費されることが多いです。つまり、国外で生産された製品であっても日本製と同等の品質が求...

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ゴキブリの生息状況の確認

異物混入防止,防虫管理,ゴキブリ,発生源 ゴキブリやその糞による異物混入クレームがあった場合、直ちに防虫モニタリングにおけるゴキブリの捕獲履歴を確認することが必要です。そして、モニタリング調査時にゴキブリの捕獲が確認された場合は、すぐに生息箇所の調査を行わなければなりません。ゴキブリは外部から直接歩行侵入してきますが、段ボール等に付着して外...

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ゴキブリ駆除にはベイト剤

異物混入防止,防虫管理ゴキブリ,防除,ベイト ゴキブリ駆除にはベイト剤という殺虫剤が広く使用されています。ベイト剤という言葉はあまり聞かないかもしれませんが、これは食毒剤とも言います。つまり、ベイト工法と言えば、毒餌を食べさせることで殺虫を行うこと工法のことを指します。日本で業務用のベイト剤が本格的に浸透してからすでに20年以上が経過しました。...

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ゴキブリ指数と防除効果判定法

ゴキブリ指数,防除,駆除,効果判定,評価 ゴキブリの防除の際によく使用する言葉「ゴキブリ指数」。ゴキブリ指数とは、元来ゴキブリ防除作業後の効果を判定するための指標として作られたものです。防除作業とは、効果判定やこの後の事後処理があって初めて完結するものなのですが、効果判定には二つの意味と目的があると考えられます。第一に、防除作業が目的に沿っ...

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エレベーターには昆虫がいっぱい

異物混入防止,防虫管理,エレベーター 現在、大抵の食品、包装資材、医薬品などの製造工場では昆虫由来の異物混入対策として防虫管理を行っています。防虫管理を行う上で重要なのは、昆虫の動態を把握するとともに侵入経路、発生源、生息箇所、移動・分散経路などを知ることです。近代的な製造工場では大規模化や多層化、バリアフリー化が進み、それにともなって...

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木製パレットは百害あって一利なし!?

木製パレット,木パレ,樹脂製パレット,プラパレ,防虫,異物 食品や包装資材、医薬品などを製造する工場を訪問すると、敷地内に木製パレット(木パレ)が山積みになっているのを目にすることがあります。それも無造作に地面に直置きされて…。古い工場だけでなく、新設された工場や倉庫でもそういうことがあるのは驚きです。木パレの材質や置かれた環境、放置期間などの条件次第では、...

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意外と工場内に多い!?菌を食べる甲虫

食菌性甲虫,カビ,菌,防虫,異物 食品や家具、家屋などにカビなどの菌類が発生するとそれを食べる昆虫が発生します。カビを食べる昆虫ではチャタテムシが有名ですが、種類で言うと実は甲虫(食菌性甲虫類)の仲間が圧倒的に多いです。屋内で発生する食菌性甲虫類には次のような科が挙げられます。・ハネカクシ科・ケシキスイ科(デオキスイ類、チビヒラタケ...

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工場の天井裏に潜む昆虫

天井裏,潜伏,貯穀害虫,防虫,異物 食品や医薬品を製造する工場でモニタリングを行うと、その最もクリーンなエリアである充填室や包装室などで昆虫類が捕獲されることがあります。そこでトラップが設置されていた付近を中心に発生源や生息箇所を探すのですが、それらしき箇所は全く見つからない…。過去にこういった経験をされた方も多いのではないでしょうか...

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「外部からの飛来虫を防ぐには扉が4枚必要」の意味は!?

扉,シャッター,飛翔性昆虫,飛来,防虫 製造工場の品質管理部門の方や防虫担当者、防虫業者など防虫管理に携わる人達と話をすると「外部から飛来する飛翔性昆虫を防ぐには扉が最低4枚必要」ということをよく聞きます。扉が最低4枚必要???これはどういう意味なのでしょう?ここではその意味について考えてみたいと思います。これも業界でよく言われていること...

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屋上・屋根の防虫管理

屋上,屋根,飛翔性昆虫,徘徊性昆虫,防虫 製造工場外部で目視調査(インスペクション)を行う際、人の視点はどちらかというと下に行きがちですので、当然と言えば当然なのですが、屋上や屋根は見落とされやすい場所と言えます。しかし、製造工場全体の防虫管理を実施する上では、屋上や屋根の防虫管理も重要な項目ですので、屋上や屋根で起こりやすい問題とその対策...

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工場や倉庫でよく問題となる外部侵入アリ

屋外,外部侵入,徘徊性昆虫,歩行性昆虫,アリ,防虫 工場や倉庫ではアリが問題になることがあります。この場合、いくつかのパターンが考えられますが、大きく「工場外部からアリが侵入する」パターンと、「工場内部でアリが発生する」パターンに分けることができます。今回は屋外からアリが侵入するケースについて説明します。内部で発生するアリについてはこちらをご覧下さい...

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工場や倉庫でよく問題となる内部発生アリ

屋内,内部発生,徘徊性昆虫,歩行性昆虫,飛翔性昆虫,アリ,防虫 工場や倉庫ではアリが問題になることがあります。この場合、いくつかのパターンが考えられますが、大きく「工場外部からアリが侵入する」パターンと、「工場内部でアリが発生する」パターンに分けることができます。今回は屋内でアリが発生するケースについて説明します。外部から侵入するアリについてはこちらをご覧下さい...

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防虫ネットで虫がどれだけ防げるか?

屋外,外部侵入,飛翔性昆虫,防虫ネット,防虫網,物理的防除,防虫 工場などで防虫管理を行う際の基本的な対策の一つに、外部からの飛翔性昆虫の侵入防止というものがあります。これは窓やドア、シャッターの隙間などあらゆる侵入口や経路を遮断することで確実に昆虫類の侵入を阻止しようという考え方です。隙間を塞ぐためには、防虫ブラシ、ゴムパッキン、パテ、発泡ウレタン、コーキング剤...

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米からの貯穀害虫の発生について

米,コメ,虫,害虫,貯穀害虫,発生 梅雨の時期が過ぎ、蒸し暑くなってくるとコクゾウムシやノシメマダラメイガ、コクヌストモドキなどの貯穀害虫(米などの食物を加害する虫)の発生が目立つようになります。これは、精米工場や穀物貯蔵庫のような大量に米や穀類を取り扱っている事業所だけで起こる問題ではなく、米の販売店や一般家庭でも普通に起こりうるこ...

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GDPに対応した防虫・防鼠・衛生管理

GDP,防虫,防鼠,衛生管理,清掃,異物混入 GDPとは、Good Distribution Practicesの略で、流通(輸送・保管)過程における医薬品の品質を確保することを目的とした基準(適正流通基準)などと訳されます。2014年に日本がPIC/Sに加盟したことを受け、昨今の医薬品における品質管理はサプライチェーン全体にまで拡大しています...

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床置き式粘着トラップはどこに何枚設置したら良いの?

最近、床置き式粘着トラップのポイント数(枚数)や設置場所の設定の根拠について説明を求められる機会が多くなってきています。特に医薬品工場では必ずと言って良いほど要求されますし、食品工場や物流倉庫であっても見積書および仕様書を提出する際に聞かれる場合があります。様々な製造工場を見る機会があるのですが、確...

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