充填や梱包等の作業には4枚以上の扉が必要!?

「外部からの飛来虫を防ぐには扉が4枚必要」の意味は!?

「外部からの飛来虫を防ぐには扉が4枚必要」の意味は!?

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製造工場の品質管理部門の方や防虫担当者、防虫業者など防虫管理に携わる人達と話をすると「外部から飛来する飛翔性昆虫を防ぐには扉が最低4枚必要」ということをよく聞きます。

 

扉が最低4枚必要???
これはどういう意味なのでしょう?
ここではその意味について考えてみたいと思います。

 

これも業界でよく言われていることなのですが、工場などでは扉を1枚経るごとに昆虫の数は約10分の1になるそうです。
確かに昆虫モニタリングの結果を見てもそうなっていることが多いように感じます。
(ただし、昆虫の捕獲数は、実際には扉の開閉頻度や密閉度、開口時間帯、開口部のサイズなど様々な要因によって変わってきますので、必ずそうなるとは限りません。)

 

さて、工場の扉の話に戻りますが、屋外からスタートすると、

 

食品工場における扉の場合、

 

1枚目:外部に接した場所(前室、荷受室、搬入出室、倉庫など)
2枚目:内部の汚染作業区域(原料庫、資材庫、通路など)
3枚目:準清潔作業区域
4枚目:清潔作業区域

 

という感じになると思います。

 

一方、もう少し清浄度の高い医薬品工場や包材関連工場の場合だと、

 

上の1枚目と2枚目を統合して1枚目、
2枚目が準清潔作業区域、
3枚目が清潔作業区域、
4枚目がクリーンルーム

 

あるいは、

 

1枚目:外部に接した場所
2枚目:内部の汚染作業区域
3枚目:準清潔作業区域
4枚目:清潔作業区域
5枚目:クリーンルーム

 

という感じになると思います。

 

では、次に昆虫の数を上の例に当てはめて考えてみましょう。

 

昆虫モニタリングのために各エリアに設置されたライトトラップの捕獲結果をイメージして下さい。

 

1枚目の最も外部に近い場所において、仮に一か月で数千頭の昆虫が捕獲されたとします。(実際にこれくらいは捕獲されます。)
すると、(10分の1ですから)2枚目のエリアでは数百頭になります。
3枚目では数十頭になり、
4枚目でようやく数頭(捕獲指数だとほぼ0)になります!

 

いかがでしょうか。
これが「扉4枚」の本来の意味だと思います。
従って、「外部から飛来する飛翔性昆虫を防ぐには扉が最低4枚必要」は、言い換えると「最も重要な場所で昆虫の捕獲数を0にしようとするには少なくとも4枚の扉を隔てなければならない」と言えるのではないでしょうか。

 

「扉4枚」という言い方がダイレクトすぎて逆に意味が取りにくくなっていますが、要は3重(大外から考えたら4重)以上のゾーニングをしなければ最重要エリアで昆虫は防げないということなのですね。


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