高速道路や工場外部でよく見られるオレンジ色の光の正体

昆虫を寄せにくいナトリウム灯

昆虫を寄せにくいナトリウム灯

異物混入防止,防虫管理,ナトリウム灯

 

ナトリウム灯には、高圧ナトリウム灯と低圧ナトリウム灯があります。

 

低圧ナトリウム灯の黄色(オレンジ色)の光は、目に最も感じ易い波長555ミリミクロンの光に近いので、非常に見やすく、霧の中でもよく透過します。

 

また、効率が高く経済的な光源であるため、この特性が買われて道路照明等に広く利用されています。
ただし、単光色であるため物の色は大変悪くなります。

 

いっぽう、高圧ナトリウム灯の光はゴールデンホワイトと呼ばれ、比較的水銀灯に近い色です。

 

高圧ナトリウム灯はナトリウム蒸気圧を0.1気圧程に高めて発光スペクトルが広がることを利用したもので、低圧ナトリウム灯に比べ効率では劣るものの、長寿命で色の見え方はかなり良くなります。
ちなみに「高圧」というのは管内の気圧が高いということで、使用電圧が高圧ということではありません。

 

日本の高速道路で使用されている照明の状況を調べてみると、全体で低圧ナトリウム灯が30%、高圧ナトリウム灯が70%で徐々に高圧ナトリウム灯に更新する計画だそうです。
ただし、高速道路で使用する場合は、交通の安全、事故の防止、保安、風紀の維持などの目的から、黄色(オレンジ色)の照明を使用しているそうです。

 

また、設置個所については昆虫類の誘引率低下、安全性の問題などの要因を考えた場合、屋内では高圧ナトリウム灯を使用するのが適切であると思われます。

 

いずれにせよ、ナトリウム灯の発する波長域に対して、昆虫類が感応しないことは明確です。

 

余談ですが、海外ではナトリウム灯のことをnatrium lampと言っても通じないことが多いです。
英語圏ではsodium lampと言うと十中八九わかってもらえます。


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