ゴキブリの生息状況の確認
ゴキブリやその糞による異物混入クレームがあった場合、直ちに防虫モニタリングにおけるゴキブリの捕獲履歴を確認することが必要です。
そして、モニタリング調査時にゴキブリの捕獲が確認された場合は、すぐに生息箇所の調査を行わなければなりません。
ゴキブリは外部から直接歩行侵入してきますが、段ボール等に付着して外部から持ち込まれることも多いです。
そのため、充填室や包装室には原材料、包装材料、資機材等の段ボール等を持ち込まないようにしなくてはなりません。
倉庫や定温庫でのずさんな管理によって段ボールにゴキブリの卵(卵鞘)が産み付けられ、その卵を付着させたまま段ボールを別の場所に持ち込むことでゴキブリが拡散されることが多いのです。
内部で発生や生息が可能な場所がないか常日頃から確認を行うことも重要です。
ゴキブリは、壁や床の割れ目や隙間、壁の内部(外壁と内壁の間)や壁に貼ってある貼り紙の裏、非常口の誘導灯、マシンモーター周り、消火栓の中、排水溝、グリストラップ、タンク保温材の内部、冷蔵庫内コンプレッサーの中、冷蔵庫扉の断熱材の中やパッキンの裏など、食品工場内のありとあらゆる箇所に生息する可能性があります。
冷蔵庫等の電気機器が充填室や包装室に有る場合は、電気機器を分解して内部を確認します。
また、ゴキブリ類が多数生息している箇所には、必ずローチスポット(糞)、虫体、卵鞘がありますので、それらを見落とさないようにします。
ゴキブリの異物混入を防ぐためには、クレームが発生してから対応するのではなく、日頃から点検を行い、ゴキブリが内部で発生・生息できない環境作りを心掛ける必要があります。
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