床置き式粘着トラップについて
床置き式粘着トラップは、スティッキートラップや床置きトラップ、粘着トラップなど様々な呼び方がありますが、一般に、紙でできたゴキブリ○イ○イのような三角形をした徘徊性(歩行性とも言います)昆虫用のトラップのことを指します。
一般家庭では主にゴキブリ捕獲用として誘引餌(または誘引剤)付きのものがよく用いられ、これはホームセンターやドラッグストアーなどで誰でも簡単に入手することができます。
一方、食品工場などでは昆虫モニタリング用として何の誘引性も持たない業務用(プロ用)タイプがよく使われます。
こちらの場合、たまたま通りかかって入り込んだ昆虫だけを捕獲します。
したがって、実際の昆虫生息密度を知るためには、昆虫を誘引して捕獲するトラップよりも、このような非誘引型のトラップの方が適していると言えます。
非誘引型であるがゆえに最重要管理エリア内にも設置できます。
またライトトラップのように電源が必要でないため、手軽に効果判定などのスポット調査が行えることも大きなメリットです。
材質としては紙製のタイプが多く、かさばらないので数が多くても持ち運びが楽です。
組み立ても容易で、燃えるゴミとして捨てることが可能です。水気が多い工場ではプラスチック製のタイプを、粉や埃が多い工場ではカバー付きのタイプを用いるなど、その場の環境に応じて選択できるのも大きな特徴です。
このようにメリットが多いため、非常に使い勝手が良いトラップです。
床置き式粘着トラップを配置する際に注意したいのは、できるだけコーナー部、もしそれが難しくても必ず壁面に接するように配置することです。
なぜなら、ほとんどの徘徊性昆虫は壁などに沿って移動するからです。
もし壁面とトラップの間にほんのわずかでも隙間があると捕獲率が低下してしまいます。
また一度配置箇所を決めたら毎回その同じ位置に配置するよう心がけましょう。
毎回位置が変わるようではモニタリング(定点観測)の意味がなくなってしまいます.
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