製造工場内に飛来侵入した昆虫を大量捕殺したければライトトラップを設置しよう!

ライトトラップについて

ライトトラップについて

モニタリング,飛翔性昆虫,ライトトラップ,防虫

 

昆虫モニタリングでは様々なトラップを使用しますが、その中でも使用頻度がエース級なのはライトトラップです。

 

 

 

最近は、このライトトラップも全国チェーンの飲食店やコンビニエンスストアなど、至る所で採用されていますので、一般の方が目にする機会も非常に多くなってきたと思います。

 

ライトトラップはその名の通り光(紫外線)で昆虫を誘引し、粘着テープ(捕虫紙)で捕獲する仕組みです。
だから光に良く誘引され、かつ飛翔力のある昆虫を多数捕獲するのに適しています。

 

昆虫は紫外線(UV;Ultraviolet Rays)の中でも特に300〜400nmの波長に反応する種が多く、大抵のライトトラップ用BLランプの波長は360nm付近にピークが来るよう設定されています。

 

ライトトラップを用いて昆虫のモニタリングを行う際は、まずモニタリング用ライトトラップの台数や設置予定箇所を決定し、全てに番号をつけます(ナンバリング)。
設置予定箇所と番号が決まったら、自分以外の人でも一目で分かるようトラップ設置図面を作成しておくと良いでしょう。

 

モニタリングに使用しない、捕殺目的のためのライトトラップにはナンバリングをせずに捕虫紙だけを交換している場合がありますが、そういった捕殺用ライトトラップにもしっかりとナンバリングをして管理するのが望ましいです。
捕獲用ライトトラップとは言え、防虫資材の一つとしてしっかりとメンテナンスし、且つ記録に残す必要があるからです。

 

それから、モニタリング用ライトトラップの設置台数や設置箇所はなるべくこだわって決定して下さい。
設置位置(高さ)、向き、電源の有無、飛翔性昆虫捕獲の戦略など、こだわりどころは本当にたくさんあります。

 

ライトトラップ設置NG場所を下記に示しますので参考にして下さい。

 

【ライトトラップ取り付けNG場所】
 ・昆虫を内部に寄せてしまう場所
 ・ラインやマシン付近
 ・エアコン付近(特に電殺機)
 ・物陰で見えない場所

 

昆虫を内部に寄せてしまう場所は当然避けなければなりません。
ラインやマシンの近くにライトトラップがあるとラインやマシンの上に昆虫が落下する危険性があります。
ライトトラップや電撃殺虫器をエアコンの近くに設置してしまうと、昆虫(死骸)が風で思わぬ方向に吹き飛ばされてしまう可能性があります。
せっかくライトトラップを設置しても物陰に隠れた場所だと昆虫に気付いてもらえないため、捕獲率がぐっと低下してしまいます。

 

これらを念頭に入れてライトトラップを取り付けるようにしましょう。

 

粘着テープ(捕虫紙)の設置・回収に関しては、1か月ごとに行っているところが多いです。

 

しかし、中にはモニタリング報告書は次月でも良いから結果を早く出させるために毎週、あるいは毎日モニタリングを実施している食品工場や医薬品工場があります。
モニタリングの期間を短くすればそれだけモニタリングの精度が上がります。
これらの工場は緊急時における早期対応を合言葉に従業員一丸となって昆虫モニタリングに努めているのです。
こういった取り組みは、実際に何か非常事態(例えば昆虫の多発生など)が見られた際にすぐに対策を講じることができるほか、従業員全員の防虫に対する啓発や意識向上にもつながります。

 

捕虫紙は透明のフィルムに貼り付けて回収すると、後で昆虫の同定やカウントを行いやすいです。

 

捕虫紙の同定作業と分析、モニタリング報告書の作成は害虫駆除業者PCO)が行うことが多いですが、中には自社で同定・カウントから分析まで行っている食品工場や医薬品工場も存在します。

 

それから、ライトトラップのBLランプは約6か月で昆虫の誘引効果が半分に低下します。

 

このため、BLランプの交換は6か月を目安に行うのが良いとされています。

 

まだ光っているから大丈夫という考えは昆虫には通用しないのです。


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