米からの貯穀害虫の発生について
梅雨の時期が過ぎ、蒸し暑くなってくるとコクゾウムシやノシメマダラメイガ、コクヌストモドキなどの貯穀害虫(米などの食物を加害する虫)の発生が目立つようになります。
これは、精米工場や穀物貯蔵庫のような大量に米や穀類を取り扱っている事業所だけで起こる問題ではなく、米の販売店や一般家庭でも普通に起こりうることで、これらの虫は、うるち米、もち米、酒米など米の種類に関係なく発生します。
また、精米の程度もほとんど関係ありませんので、玄米であろうが白米であろうが虫の被害に遭うときは遭います。
ただ、「農薬を一切使用せずに栽培された米(無農薬米)」や「農薬を使用して栽培されたが検査で検出されなかった米(残留農薬ゼロ米)」、あるいは「燻蒸剤を使用せずに貯蔵された米」などからは虫が発生する可能性が高くなります。
これは換言すれば、貯穀害虫が発生するということは、それだけ農薬など化学物質の残留が無い、または少ない安全な米であると考えられるということです。
実際に、農薬漬けの外米(外国産米)の中に虫を封入し、24時間後に観察したら全滅していたという実験結果があります。
次に、ではこれらの虫は一体どこから来たのか、どこで混入したのか、ということですが、虫の侵入経路(混入経路)は様々で、絞り込むのは至難の業です。
収穫前の可能性は低いですが、収穫後の乾燥から精米に至る過程、精米後の保管中、輸送中など至るところで成虫や幼虫、卵が入り込む可能性があります。
また、虫(特に卵や蛹)は乾燥中の温度にも耐えることができる、卵のサイズは1mmにも満たないほど小さい、米粒の中に卵を産む種もいる(コクゾウムシなど)、などということもあり、例え色彩選別機などで異物混入対策を行ってはいたとしても、虫やその卵を完全に除去することは非常に困難です。
最後に、米に付く虫は咬む、刺すなどの行為はしませんし、毒性や病原性もありませんので、これらの虫が発生した米や虫そのものを食べて(しまったとして)も人体への影響は全くありません。
米から発生する虫をモニタリングするためには、フェロモントラップがお勧めです。コクゾウムシ用、ノシメマダラメイガ用、コクヌストモドキ用など色々と揃っています。
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