昆虫の生態を知って防除に役立てよう!

メイガ(ノシメマダラメイガなど)

メイガ(ノシメマダラメイガなど)

メイガは、チョウ目メイガ科に属する蛾の総称で、農業害虫として世界中で広く知られていますが、中には所蔵穀物や穀粉、乾燥食品、加工食品などを食害する種も多数います。
ここでは、そのような食品害虫としてのメイガ(マダラメイガ亜科)についてご紹介します。

 

食品を加害するメイガの代表格はノシメマダラメイガ(Plodia interpunctella)で、本種は以前はノシメコクガと呼ばれていました。
名前が長くて呼び辛いこともあり、専門家の間では単にノシメと言っただけで通じます。

 

ノシメマダラメイガは元々は熱帯の昆虫です。
日本には外米を輸入した際に侵入して現在では全国各地に分布しています。

 

成虫は体長が7〜8mmで、広げた翅の長さは翅12〜16oです。前翅の外側半分は赤褐色を呈します。
老齢幼虫の体長は10〜12mmで、頭部は褐色、体は基本的に乳白色ですが、若干赤みがかったり、緑がかったりすることがあります。

 

幼虫は穀物、穀紛、豆類、乾燥した果実や野菜、菓子類、鳥の餌などを食害し、米や加工食品の重要な害虫として恐れられています。自然界では鳥の巣や蜂の巣から見つかることもあります。

 

幼虫は大量の糸を吐き、餌をクモの巣状に覆います。これは本種の生息を知るための手掛かりになります。
暗赤色の粒状の糞をするので、他の昆虫と区別が容易にできます。
幼虫は蛹化場所やや越冬場所を求めてかなり動きまわるようで、加害物とは関係のない商品などから発見されることも多いです。

 

本種の幼虫は物を齧る能力が非常に高いため、しばしば包装された製品の内部に穴を開けて侵入します。
そのため、本種幼虫による異物混入クレームは非常に多いのですが、混入時期としては、製造時ではなく、物流段階における倉庫等への一時保管時や消費者による購入後、つまり消費者宅で混入することが意外と多いです。

 

国内における成虫の発生は、年に4〜5回で、寒い地方だともう少し少なくなります。
ただし、屋内など餌や環境条件が整った場所では、年間を通して何回でも発生することが可能です。

 

本種は光には誘引されません。
稀に生息密度が高くなるとライトトラップに飛び込むことがありますが、ライトトラップで本種をモニターするのは適切ではありません。
本種のモニターには雌の性フェロモンを利用したフェロモントラップを使用するのが最適です。

 

本種の発生を予防するためには、整理・整頓・清掃は欠かせません。
清掃により日頃から本種の餌となるものを除去することを心掛けてください。

 

発生予察のためにはフェロモントラップが有効です。

 

発生してしまった場合は、燻蒸あるいは燻煙により一度リセットするのが良いでしょう。ただし、この場合も清掃は重要です。清掃をせずに駆除を行っても効果は半減します。

 

マダラメイガ亜科には、ノシメマダラメイガの他にスジマダラメイガ(Cadra cautella)やスジコナマダラメイガ(Ephestia kuehniella)などの食品害虫がいます。
これらはノシメマダラメイガよりも若干サイズが大きく、くすんだ色をしています。
生態や防除法はノシメマダラメイガとほとんど変わりませんので、このページを参考にしてください。
これらに対してはノシメマダラメイガ用のフェロモントラップが同じ様に使えます。

 


ノシメマダラメイガです。

ノシメマダラメイガ対策


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