総合有害生物管理(IPM)についてのおさらい

IPMによる防鼠管理

IPMによる防鼠管理

総合有害生物管理,総合有害生物防除,IPM

 

まずはおさらいですが、IPM(Integrated Pest Management)は、総合的有害生物管理や総合的有害生物防除などと訳されます。
ここで言う有害生物には、昆虫だけでなくネズミなどの小動物やハトなどの鳥類、微生物などが含まれます。

 

さて、IPMの考え方としては、事前調査やモニタリングにより対象となる有害生物の種や個体数を把握し、できる限り薬剤の使用(化学的防除)を避けつつ、対象となる有害生物に対して最適な(できるだけ化学的ではない)防除法を合理的に組み合わせ、有害生物による被害をEIL(経済的被害許容水準)以下に抑えるための有害生物個体群管理システムと要約することができます。

 

これを防鼠管理に置き換えると、殺鼠剤やトラップのみの駆除ではなく、調査も含め、生態的・環境的防除も含めた総合的な防除方法ということになります。

 

従来のネズミ駆除は、主な手法として殺鼠剤を用いた化学的防除、もしくはトラップを用いた物理的防除が中心でした。これらの対策は、適切に行われる限り環境に悪影響を与えるものではありませんが、ネズミの薬剤抵抗性問題、人々の活動や考え方の変化などと相まって、薬剤のみに偏重しない対策を推し進める必要が出てきました。
また、発生源対策など居住者や建物の管理者の領域についても踏み込んで指導を行い、対策を実施する必要があります。

 

そこで、今日ではこのIPMの考え方を導入することが強く望まれています。

 

ネズミの場合においても、ネズミの住みにくい環境を作ることが重要であり、餌となる食品残滓などの管理、営巣場所の撤去、ネズミの侵入経路遮断(防鼠工事)などを対策に組み込んで実施することが求められています。

 

IPMにおいては、防除効果を客観的に判断することが求められるため数値管理(捕獲個体数や薬剤量、トラップ数など)も必要となってきます。



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