ネズミに及ぼす超音波の影響について

ネズミに及ぼす超音波の影響について

防鼠管理,超音波,ネズミ

 

従来のネズミ駆除では、主に殺鼠剤毒餌)による化学的防除や各種資機材による物理的防除が行われていました。

 

しかし近年は、殺鼠剤が環境に及ぼす影響を懸念する声が高まり、化学的防除を避け、環境に配慮した物理的防除が主流となってきています。
これには、粘着トラップなどによる捕獲や超音波ネズミ撃退装置を用いた忌避などが挙げられます。

 

超音波を用いた防鼠機器の効果については、以前から多数の議論がなされており、十分な効果が期待できないとする声も多く上がっています。

 

この主な要因として、一般家庭で用いられている超音波ネズミ撃退装置は出力不足や同一波長のものが多いだけでなく、超音波装置単体でしか使用されていないため、と言われています。

 

一般に、ネズミはヒトの20倍の超音波を感じるといわれており、特に25,000 Hz付近では激しい忌避反応を示すことが知られています。
また、これを上まわる波長帯域での撃退効果も確認されています。
一定の効果は認められているようなのですが、ネズミは外的ストレスに慣れる性質を持ちます。

 

少し前に「スーパーラット」と呼ばれる、薬剤抵抗性を獲得したクマネズミが都会で急増していると話題になりましたが、実は、薬剤だけでなく同一波長の超音波に耐性を持つネズミも出現し始めたのです。

 

そのため、現在は波長可変型の超音波ネズミ駆除装置が開発されています。しかし、今後、可変型の超音波装置に対する抵抗性を獲得したネズミが出ないとも限りません。

 

これらの事由から、この手の超音波ネズミ駆除装置だけで完全な防鼠管理を行うのは不安があり、補助的な手段であることを理解した上で、他と組み合わせて利用するのが望ましいと言えます。

 

最も重要なことは、ネズミを追い出すための対策だけでなく、ネズミを入れないための対策にも目を向け、天井や壁、エアコンパイプ、配電盤および水道管などのネズミの侵入経路と考えられる隙間を徹底的に塞いでいくことです。
ちなみに、ネズミの超音波防鼠機器からの逃走経路に捕獲器や粘着トラップを併設することで、より一層の効果をもたらすことができます。

 



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