防カビのスペシャリストになるために

主にカビを対象とした微生物管理の考え方

主にカビを対象とした微生物管理の考え方

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防カビとは文字通りカビを防ぐことですが、その基本的な対策としてカビによる汚染防止、カビの増殖防止、防カビ施工の3つが挙げられます。

 

実際に食品や医薬品など、微生物の影響を受けやすいものを製造している工場や事業所でより高いレベルの防カビ効果を維持していくためには、これらの対策をいかにバランスよく組み合わせるかが鍵となってきます。
従って、この3つの基本的対策を基にした効果的な施工計画を立案する必要があります。

 

それではそれぞれの対策についてもう少し詳しく見てみましょう。

 

1.カビによる汚染防止
この対策は、管理施設や設備内の環境微生物管理における汚染防止対策の一環であり、カビによる汚染のチャンスを極力排除するという最も基本的な対策です。
予防的な防カビ(抗カビ)施工はこれに含まれます。

 

2.カビの増殖防止
日常的に清掃、洗浄、殺菌を行うことは非常に有効な防カビ対策となります。
温度や湿度に関しては、施設・設備の防カビデザインと管理面の対策に分けられますが、管理面については次の3点が基本的な対策となります。

 

1)蒸気の発生を極力抑える
2)蒸気の滞留を防ぐため適切な換気を行う
3)適切な温度調整を行い外界との温度格差を無くして結露を防止する

 

これらの対策は日常的に行う必要があるため、作業については外部に委託するのではなく製造工場および事業所側で実施する必要があります。
カビに関する知識や経験が不足している製造工場や事業所は、微生物管理に関するコンサルティングを受け、カビについての情報を基本的知識として周知徹底しておく必要があるでしょう。

 

例えば、チャタテムシヒメマキムシなどの食菌性昆虫はカビとの結びつきが非常に強く、これらの存在はカビの増殖を助長しています。
カビの増殖を完全に防止するためにはこういった昆虫をも防除しなくてはなりません。
また、施設・設備の防カビデザインについては、サニタリーデザインの一環としてその構造と設置要領および材質について対策を講じる必要があります。

 

3.防菌防黴施工
この対策は、前述した諸対策が様々な制限要因のために十分に講じられない際にその不足分を補う対策であり、最も直接的な防カビ対策だと言えます。
既にカビが発生した場合、カビ取り剤などを用いて積極的にカビの殺滅を行い、その後の増殖に備えて防カビ施工を実施し、この施工処理面の維持管理をしていくことになります。



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