知っていますか?昆虫死骸とカビの関係

昆虫死骸はカビの温床

昆虫死骸はカビの温床

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現在、大抵の製造工場では防虫管理の一環として昆虫のモニタリングを実施しています。
モニタリングを行うとわかりますが、高い清浄度が要求されている製造エリアでも結構昆虫が捕獲されることがあります。
また、実際に工場内で生きた昆虫が飛んでいるのを目撃することもあります。

 

一般に、製造環境内で見られる昆虫(産業害虫)の多くは微生物学的に不衛生な環境(排水溝、浄化槽、土壌、食品等残滓、塵埃、動物死骸など)を好み、そういったところから発生することが多いです。
そのため、こういった昆虫の体表面には多かれ少なかれ真菌(カビ)や細菌などの微生物が付着していることが容易に想像できます。

 

昆虫の死骸にも当然微生物は付着しており、それらを放置すると真菌の温床となり、真菌の胞子を撒き散らす可能性があります。
ほとんどの昆虫(死骸)はその体サイズにかかわらず、体表に多数の真菌を保持しているのです。
特にハエの仲間からは多くの真菌が検出されます。

 

また、乾燥した環境から採取した昆虫死骸からはあまり真菌が分離されませんが、湿潤な環境から採取した昆虫死骸からは高頻度で分離されます。
真菌の生育には湿度が欠かせない要因となっているのです。

 

食品取扱施設で最も多く昆虫死骸が見つかるのは窓のさんです。
それだけ日常のサニテーション業務において窓のさんは見落とされがちだということです。

 

食品製造環境内に存在する昆虫は、異物混入クレームの対象や真菌のキャリヤーとなるだけでなく、その死骸の存在が真菌の生育を助長しますので、これを放置すると製造環境中に存在する環境微生物数の増加につながる恐れもあります。

 

したがって、異物混入対策だけではなくサニテーションの観点からも、食品製造環境内に昆虫を侵入させないこと、侵入した個体や死骸は速やかに取り除くことが重要と言えます。

 

また、普段は見落とされている箇所(特に製造ライン付近の窓のさんや配電盤上)に対しても常に意識をし、日常的に塵埃除去等の清掃を実施するのが望ましいです。
これらのことは食品取扱施設だけでなく、例えば包装資材製造工場や医薬品工場のようなより高い清浄度が求められる環境にも直結すると考えられます。



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