昆虫の生態を知って防除に役立てよう!

ニセケバエ

ニセケバエ

ニセケバエは、ハエ目ニセケバエ科に属する昆虫の総称ですが、昔はゴミカと呼ばれていたようです。

 

体長は3mm内外の小型のハエで、体は全体的に黒っぽく、棍棒状の触角を持つのが特徴です。ライトトラップの捕虫紙を同定・カウントする際、ニセケバエはあまり翅脈が発達していないので翅を見落としやすく、その風貌から一見ハネカクシのように見えることがあります。ライトトラップに捕獲されたニセケバエを同定する際は注意が必要です。

 

ニセケバエの幼虫は植物性腐敗物や堆肥、糞などを餌として生活していますが、キノコなどから発生することもあります。
ナガサキニセケバエは一般家屋内でもよく発生します。

 

食品工場では側溝や排水ピットに堆積した汚泥や腐敗した植物残滓などから発生します。食品工場以外でも工場敷地内の緑地帯や屋上(水溜りに発生した藻など)、雨樋に堆積した落葉が混じりの土などから発生し、内部に大量侵入することがあります。
一般に春(4〜5月頃)に発生することが多く、その時期には外部に近い場所(例えば搬出入口)に設置してあるライトトラップでユスリカクロバネキノコバエなどを抑えて優占種となることがあります。

 

飛翔力はそれほど高くないので外部から重要エリアまで侵入することは稀ですが、食品工場等で内部で発生されると厄介です。
もしそうなった場合は、すぐに発生源を見つけ出し、除去する必要があります。
発生源がなくなればそのうちにいなくなります。
殺虫剤を使用するにしても発生源がわからない限りあまり意味はありませんので、まずは発生源の発見に努めて下さい。
ちなみに内部では季節を問わず発生しますので、昆虫モニタリングにより日頃から監視しておく必要があります。

 

外部からの侵入の場合、上に書いた屋上や雨樋のようなケースを除き、発生源を探し出し、対策を講じるのはほとんど不可能と言えます。
従って、どうしても侵入防止対策がメインとなり、工場全域の光源管理(ライトコントロール)、屋外から重要管理エリアまでに間仕切りを多く設ける(ゾーニング)、陽圧化により屋内外の差圧を調整する(気流コントロール)、建屋全ての隙間を塞ぐ(バリア性向上)などで対応することになります。

 

ニセケバエは、クロバネキノコバエと同様にプランターや植木鉢から発生することもありますので、もしオフィスや住居の中にそういったものを置く際はご注意下さい。

 


ニセケバエの一種です。

 


大量発生したニセケバエがブドウの木?に付着して蠢いています。

ニセケバエ対策


ホーム RSS購読 サイトマップ
HOME 用語集 関連書籍 お役立ちツール お問い合わせ