昆虫の生態を知って防除に役立てよう!

ユスリカ

ユスリカ

異物混入,防虫管理,外部侵入昆虫,生態,防除

 

ユスリカは、ハエ目ユスリカ科に属する昆虫で日本に約500種いると言われています。

 

ユスリカ成虫の体長は1〜11mmと結構幅広いのですが、工場などで問題となるのは5mm以下の微細で弱々しい種が多いです。

 

ユスリカの幼虫は身近な小水域(側溝や排水溝、用水路、庭の水溜まりなど)から湖沼や河川、競艇場などといった大水域まで、ありとあらゆる水域に生息し、水中や水底の有機物を餌として、特に都市部やその近郊の汚れた水域(側溝や用水路など)で大量に発生します。

 

敷地内に排水処理施設を持つ工場では、ほぼ間違いなくその沈殿槽がユスリカの発生源となっています。

 

多くの都道府県における工場排水の水質基準は、BOD(生物化学的酸素要求量)が20ppm程度ですが、この程度の水質がユスリカの発生に最も適していると言われています。

 

これより清浄であっても、汚染度が高くてもユスリカの成育には適さないようです。
ちなみにこれより汚染度が高くなると今度はチョウバエ発生の好適条件となります。

 

成虫は屋外で最も多く見られる飛翔性昆虫の一つで、正の走光性が非常に強いため、工場から漏れる光に大量に誘引されます。

 

そして、微小で飛翔力があまりない種が多いので、工場が陰圧だと工場内に気流とともに吸い込まれてしまいます。

 

このように光に強く誘引され、且つ飛翔力がそれほど強くないという性質のため工場の光源およびバリア機能(間隙等)の指標となります。

 

ユスリカは外部から工場内に侵入しやすいので、製品への異物混入の問題も非常に多い昆虫です。

 

異物として発見された場合は、虫体が破損し、欠損していることが多いため、種まで特定できることは少ないです。

 

ユスリカは食品だけでなくフィルムなどの包装資材や紙などの表面に圧着することが他の昆虫と比べて顕著に多いです。
ラインや中間製品付近の照明に誘引されて落下する場合がほとんどですが、偶発的に製品に迷入、あるいは付着することもあります。
これには原料や中間製品の露出時間と露出部のサイズの大きさが影響していると考えられます。

 

ユスリカの防除対策としては、幼虫対策と成虫対策があります。

 

幼虫対策では工場敷地内で発生させないことが重要となりますので、発生源を除去したり、場合によっては昆虫成長制御剤IGR)などの殺虫剤を使用し、生息密度を低下させます。

 

いっぽう成虫対策としては、敷地を含む工場全域の光源管理(ライトコントロール)、屋外から重要管理エリアまでに間仕切りを多く設ける(ゾーニング)、陽圧化により屋内外の差圧を調整する(気流コントロール)などが挙げられます。

 

成虫は光に強く誘引されますので、ライトトラップによる補殺は非常に効果があります。

 


ユスリカのライフサイクルがよくわかる動画です。


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