昆虫の生態を知って防除に役立てよう!

ショウジョウバエ

ショウジョウバエ

異物混入,防虫管理,内部発生昆虫,生態,防除

 

ショウジョウバエはハエ目ショウジョウバエ科に所属する小型のハエで、体長は2〜4mm、体色は黄褐色のものが多いですが、中には黒褐色など様々な種を含みます。一般に複眼は鮮やかな赤色をしています。

 

日本からは100種以上が記録されていますが、一般家屋や食品工場等で問題となる種は限られており、主にキイロショウジョウバエ、クロショウジョウバエ、オオショウジョウバエ、カスリショウジョウバエ、スジショウジョウバエ、ヒョウモンショウジョウバエなどが挙げられます。

 

ショウジョウバエは腐敗した果物や野菜などに集まります。
幼虫は発酵性の食品や発酵しかけた積み草、堆肥、過熟した果実などを好みますが、必ずしも発酵している必要はないようです。
また、人の糞尿でも成育することがあります。

 

屋内を好む種は、一般家庭では台所の生ゴミ(食物残滓、腐敗した果菜など)や漬物桶から発生します。
台所のシンク付近で飛翔する黄色いコバエを見かけたことはありませんか?

 

他にもスーパーマーケットや青果市場、醸造食品や漬物を取り扱う施設、獣・魚肉を加工する施設などで普通に見ることができますが、食品工場では稀に大量飛来や多発生することがありますので注意を要します。
特にワイン、ビール、味噌、醤油などの発酵食品工場や?つゆを製造する工場、果物の缶詰工場やトマトジュースなどの果実加工工場などでは毎年のように大発生しています。

 

ショウジョウバエ成虫は露出している原料や中間製品めがけて飛んでくるので、どうしても異物として食品に混入する率が高くなります。

 

成虫が食品に集まってくるということは、殺虫剤の使用が極めて難しいということですので、ショウジョウバエの防除対策は発生源対策や混入防止対策がメインとなります。

 

発生源となる食品や厨芥類は低温でしっかりと管理する必要があります。
食品工場で出る野菜くずなどの生ゴミも、ごみ収集業者に回収されるまでは低温で臭気管理ができる場所で保管するのが望ましいです。

 

排水溝やその他製造室内に溜まった加工残滓は、ショウジョウバエの繁殖源となりますので、清掃や洗浄により徹底的に除去しなければなりません。
特に排水溝上にグレーチングがある場合は、そこに野菜くずなどが溜まりやすく、清掃でも落ちにくいのでご注意下さい。

 

屋外で大発生した成虫に対しては、侵入を防止する対策を講じる必要があります。

 

ショウジョウバエは、わずかな隙間からでも工場内に執拗に侵入してきますので、製造室の2重構造、エアシャワー室の設置、エアカーテン防虫カーテンの設置、間仕切りや防虫ブラシによる隔離・遮断、隙間埋めなどの侵入防止対策を行います。
これによって随分と外部から飛来する個体数を減らすことができますが、まだ製品への混入が懸念される場合は、充填工程や包装工程をクリーンブース内で行うのが良いでしょう。

 


ショウジョウバエの一種の動画です。


ショウジョウバエ対策


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