昆虫の生態を知って防除に役立てよう!

屋内塵性ダニ

屋内塵性ダニ

屋内の畳やカーペット、フローリング、寝具類などから検出されるダニを屋内塵性ダニと呼びます。
屋内塵中から検出されるダニには主に次のものがあります。

 

・マヨイダニ科(フツウマヨイダニなど)
・オオサシダニ科※(イエダニ、トリサシダニなど)
・ワクモ科※(ワクモなど)
・ツメダニ科※(ホソツメダニ、フトツメダニ、ミナミツメダニなど)
・ホコリダニ科(ナミホコリダニなど)
・シラミダニ科(シラミダニなど)
・コハリダニ科
・テングダニ科
・オソイダニ科
・タカラダニ科(カベアナタカラダニなど)
・コナダニ科(ケナガコナダニ、アシブトコナダニなど)
・ニクダニ科(サヤアシニクダニ、イエマルニクダニなど)
・チリダニ科(コナヒョウヒダニ、ヤケヒョウヒダニなど)
・ヒゼンダニ科(ヒゼンダニ)
・カザリヒワダニ科(カザリヒワダニ)
・イエササラダニ科(イエササラダニ)

※人間の皮膚を刺し、皮膚に炎症を起こす種を含む科

 

ここで挙げたダニの中には野外性のダニもいくつか含まれていますが、屋内塵を採取して、ダニの調査を行うと大体このような種類のダニが検出されます。

 

屋内塵性ダニは、ほとんどの種類が0.3〜1mmに収まるサイズですが、ホコリダニ科はやや小型で0.1〜0.2mm、タカラダニ科はやや大型で1〜2mm程度のものが多いです。
これらのうち、特に屋内塵からの検出頻度が高いのは、コナダニ科やチリダニ科です。

 

コナダニは、多数発生すると白い粉をふいたように見えることからその名前が付きました。
コナダニの体長は0.3〜0.4mm、肉眼でぎりぎり見えるくらいのサイズです。
貯蔵食品や飼料、医薬品中などで繁殖し、食害しますので当初は食品害虫として研究されてきましたが、畳などからの発生も多いということがわかってきました。
食品から発生した場合、食品1g当たり数百〜数千個体に達することもあります。
しかし、食害されることによる量的被害よりは、品質低下や不快動物(ニューサンス)としての意義が高いです。
コナダニは食品工場や飼料工場、製粉工場などでも大発生することがあり、原料や製品が汚染されることがありますので要注意です。

 

チリダニは体長が0.3〜0.5mm、コナダニ同様乳白色です。
コナダニよりも若干低湿度で良好な増殖が見られるようで、25℃・75%RHの条件で、乾燥粉末酵母などを餌としてよく繁殖します。
建物内では、人間の皮膚の剥離物や食物の食べこぼしなどを餌にしています。

 

屋内塵性ダニ対策としては、食品等に発生した場合は、汚染された食品等は速やかに廃棄するか、密閉した容器に入れ、風通しの良い乾燥した場所に保管します。
畳や寝具に発生した場合は熱処理が効果が高いです。
殺虫剤が使用できる場所では、床面への液剤散布と燻煙剤ULVによる空間処理を実施します。清掃後に薬剤処理を実施するとより効果があります。
コナダニは乾燥に対して極めて弱いので、湿度コントロールが防除法としては最も効果が高いです。

 


食品から発生するコナダニの一種です。


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