昆虫の生態を知って防除に役立てよう!

ヒョウホンムシ

ヒョウホンムシ

異物混入,防虫管理,内部発生昆虫,生態,防除

 

ヒョウホンムシ(spider beetle)は、コウチュウ目ヒョウホンムシ科に属する甲虫の総称です。
成虫・幼虫ともに乾燥した動植物質を食べますので、乾燥食品害虫として知られていますが、はっきりとした生態はまだあまりわかっていないようです。

 

日本では、ニセセマルヒョウホンムシやヒメヒョウホンムシ、ナガヒョウホンムシ、カバイロヒョウホンムシなどが普通に見られますが、近年は外国産のヒョウホンムシ数種が穀物等の食糧に付いて入ってきているようです。

 

ヒョウホンムシは、「標本」という名が付いていますので、よっぽど動植物標本を食害するのかと思われがちですが、カツオブシムシほどは標本を食害しないと思われます。

 

確かにニセセマルヒョウホンムシなどは、稀に製粉工場や製パン工場などで大発生したりしますが、頻度はそれほど多くありません。また、他のヒョウホンムシは野外でもよく見られます。ですので、ヒメヒョウホンムシやナガヒョウホンムシ、カバイロヒョウホンムシなどは倉庫のような環境に床置きトラップを設置しておくとよく捕獲されます。

 

また、ヒメヒョウホンムシやナガヒョウホンムシは1〜3月の寒い時期に捕獲されることがありますし、カバイロヒョウホンムシは野外で動物糞などに多数群がっていたりするようです。

 

このグループの中で最もよく知られているのは、ニセセマルヒョウホンムシです。
本種成虫は、体長2〜3mmで、光沢のある赤褐色でつるっとした卵形の体に少し長い目の脚が生えたような姿をしています。
害虫の中では数少ない、なかなか愛嬌のある虫です。
この虫は左右の翅がひっついてしまっていますので飛ぶことができず、歩くことしかできません。しかも歩くのもかなりゆっくりです。
食べる量も非常に少なく、繁殖するスピードもそれほど速くはありませんので、害虫といってもそれほど重要視する必要はないと思います。
ただ飢餓にはめっぽう強く、床置きトラップに捕獲された状態でも生きていることが多いです。

 

一方、ナガヒョウホンムシは3.5〜5mmほどあり、歩くのも結構速いです。
でも大量発生というのは見たことも聞いたこともありません。

 


ヒョウホンムシの一種です。



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