昆虫の生態を知って防除に役立てよう!

カツオブシムシ

カツオブシムシ

異物混入,防虫管理,内部発生昆虫,生態,防除

 

カツオブシムシは、コウチュウ目カツオブシムシ科に属する甲虫の総称です。
カツオブシムシという名前ですが、鰹節だけを食べているわけではなく、乾燥した動物性のものなら何でも食べます。

 

一般にカツオブシムシ成虫の体には微細な毛が生えていることが多いです。体長は小さなもので2mm程、大きなものだと10mm程の種がいます。

 

多くの種において、成虫は花の蜜などを餌としているため、野外で見られることが多いです。年一化性で4〜6月頃に見られる種が多いです。
成虫が光に誘引される種も多く、成虫が発生する時期になると工場内に設置されているライトトラップでも多数捕獲されることがあります。飼料工場や精米工場、乾燥食品を取り扱っている工場などでよく捕獲されるのはヒメカツオブシムシ(Attagenus unicolor)やヒメマルカツオブシムシ(Anthrenus verbasci)です。

 

一方、カツオブシムシの幼虫は、成虫のような走光性はありません。食べ物も成虫とは大きく異なり、乾燥した動植物を食べることから一部の種は食品害虫や衣類害虫となっています。

 

例えば、ヒメカツオブシムシやハラジロカツオブシムシ(Dermestes maculatus)、トビカツオブシムシ(Dermestes ater)などは重要な食品害虫として知られています。また、マダラカツオブシムシ属(Trogoderma)の仲間は、植物性食品を好んで食べるため貯穀害虫として世界中で問題となっています。

 

ヒメマルカツオブシムシやヒメカツオブシムシなどは毛織物や絹織物などの動物性繊維、羽毛、皮革などを食害する衣類害虫として恐れられています。

 

これらの幼虫は、昆虫や鳥類、動物の死骸からもよく発生します。気付かないうちに貴重な昆虫標本なども食べてしまうため、標本の収集家などからは非常に嫌われています。
工場では床の目地や壁の立ち上がりの隙間、コーナー部、窓のさん、電撃殺虫器の受け皿などに堆積した昆虫死骸を除去せずに長期間放置していると、突然カツオブシムシが大量に発生することもありますので気を付けてください(二次発生)。

 

海外には、ここで紹介したよりもさらに恐ろしい(つまり、繁殖力が強力で防除が困難な)カツオブシムシ種がいくつか知られています。それらが日本に入ってこないことを心から祈っています。

 


ネズミの死骸がカツオブシムシに食べられる動画です。


ヒメマルカツオブシムシ対策


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