アブラムシ
食品工場で大量に使用される原料としての野菜には、ヤサイゾウムシやチョウ目の幼虫など昆虫が付着していることが多く、工場側はこれらを洗浄や目視による選別によって除去しています。
しかし、洗浄や選別作業でも除去しきれずに異物として食品に混入してしまうことが多い昆虫がいます。
それはアブラムシです。
ちなみにアブラムシはアリマキとも呼ばれます。
アブラムシは一般に緑や黄、黒、赤などの色をした微小な昆虫です。
サイズは小型のものは1〜2mm、大型のものは3〜3.5mm以上あります。
全てのアブラムシが植物から吸汁するのですが、栽培植物を加害する一部のアブラムシは重要な農業害虫となっています。
アブラムシはコロニーと呼ばれる一群を形成し、寄生に近い形で植物上に生活しており、虫自体は弱々しいのですが増殖力が極めて大きいことが特徴として挙げられます。
アブラムシには翅のない無翅型と翅のある有翅型、その中間型や短翅型など多型が存在します。
有翅型は、特に晩秋からの低温期に多く見られ、灯火に強く誘引されますので、昆虫モニタリングでもライトトラップ等で大量に捕獲されることがあります。
この現象は一過性のことが多く、大抵すぐに終息するのですが、有翅型のアブラムシは食品だけでなく、フィルム等の包装資材に混入することも多いので一過性とは言え注意が必要です。
無翅型のアブラムシは、冷凍野菜や惣菜等に混入していることが多いです。
これは、もともと原料としての野菜に付着していることがほとんどだからです
また、アブラムシは集団生活を営んでいるため、1匹見つかったら他にもいる可能性があります。
アブラムシの付着を予防し、防虫対策を講じるのは困難を極めます。
できることと言えば、原料供給先へのクレームと改善の要求、洗浄工程や選別工程の見直しなどが挙げられる程度です。
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