ハサミムシ
ハサミムシは、ハサミムシ目に属する昆虫の総称です。
細身で扁平な赤褐色の昆虫で、体の後端に大きなハサミが付いているのが特徴です。
体長は10〜20mmのものが多いです。
活動的な昆虫で、脅かすとすばやく走って逃げます。
主として夜間に活動し、昼間は大抵落ち葉や小枝、石などの下に隠れています。
ハサミムシには4枚の翅があります。
通常、後翅は畳んで短い前翅の下に入っています。腹部が露出しているその様は、まるでハサミのないハネカクシのようです。
ただし、中にはヒゲジロハサミムシのように翅のない種もいます。
日本では翅のないハサミムシをよく目にするため、ハサミムシには翅がないと思っている人も多いようです。
ハサミムシは元々は夜間に色々な植物を食べる庭や畑の害虫です。
ただ、時々工場や倉庫などの建物内に迷い込んだり、一般住宅の玄関や中庭で人に不快な思いをさせることがあります。
工場や倉庫で昆虫のモニタリングを行っていると、稀に床置き式粘着トラップで大量に捕獲されることがあります。
ハサミムシは体が扁平なため、わずかな隙間からも潜り込んできます。
また、スジハサミムシモドキのように高い飛翔力と走光性を備えたハサミムシは、ライトトラップにもよく捕獲されます。
これらは大量に発生することもあり、異物として製品に混入する危険性を秘めています。
屋外でハサミムシ防除のために殺虫剤散布を行う場合は、通常、発生している場所の地面や植物全体を覆うように散布します。
しかし、植物によっては、噴霧した殺虫剤が残留して薬害を起こすので注意が必要です。
ハサミムシは石やブロック、鉢植え、落ち葉、刈り草、朽ち木などの物陰に潜む習性があるため、ハサミムシを寄り付かせないためにも建物付近にこのような物を放置しないようにしましょう。
屋内の場合は、ハサミムシが隠れ場所としているC&C(割れ目や裂け目)やコーナー部に残留噴霧します。
これはゴキブリの防除とほとんど同じです。
場合によっては出入口や玄関、地階にも噴霧する必要があります。