昆虫の生態を知って防除に役立てよう!

クロバエ

クロバエ

異物混入,防虫管理,外部侵入昆虫,生態,防除

 

ハエ目クロバエ科のハエの総称で、普通にクロバエと言っているのは分類学の単位としてのクロバエ族(Caliphorini)のことです。
クロバエ族には、オオクロバエやケブカクロバエなどの普通種のほか、ミヤマクロバエ、フタオクロバエなどがよく知られています。

 

クロバエの仲間には中〜大型の種が多く、体長は7〜12mmでニクバエよりもやや小さいイメージです。体色は黒色に多少紫色がかったものが多いです。

 

クロバエ科の中には、青色や緑色などのメタリックカラーをしたキラキラと輝くハエもいますがこれらはキンバエ族(Lucilini)に含まれます。
キンバエの仲間には、クロキンバエやミドリキンバエ、ヒロズキンバエ、オビキンバエなどがおり、日本では約15種が知られています。

 

クロバエの成虫は、春や秋といった涼しい頃に多く、人家周辺で活動します。オオクロバエの成虫は冬でも日なたで飛び回っているのがよく見られます。
幼虫は便池や動物の糞や死体から発生することが多いですが、ゴミ捨て場や畜舎からも大量に発生することがあります。
ちなみにキンバエの生態もクロバエとよく似ています。

 

これらのハエは、普段はあまり積極的に建物内部に入ってきませんが、魚介類等の食品を扱っている施設や付近に畜舎がある工場では、その臭気に誘引され外部から侵入することが多くなるため注意が必要です。気温が低くなってくると、暖を求めて工場内に侵入するケースも増えます。

 

また、成虫は飛翔力強いため、エアーカーテンなども効果がないことが多いです。扉・シャッターなどを開放せず、確実に閉じるように心掛けましょう。
ライトトラップでも捕獲可能ですが、大型でもがき羽ばたく力が強いため、一度くらい捕まっても捕虫紙の粘着物質から逃れる場合があります。設置して長時間が経過した捕虫紙の場合、粘着力がかなり低下していますので特に気を付けましょう。

 

クロバエは不衛生な所で発生するため、ゴキブリなどと同様に異物混入が起きた際のインパクトが非常に大きいです。クロバエによる異物混入事故を引き起こさないためにも日頃から臭気コントロールやバリア性強化などの対策を講じておきましょう。

 


クロバエの一種の産卵シーンです。


クロバエ対策


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