昆虫の生態を知って防除に役立てよう!

トゲハネバエ

トゲハネバエ

トゲハネバエは、ハエ目トゲハネバエ科に属する中型のハエの総称です。

 

成虫の体長は5〜6mm、体は全体的に灰褐色で、翅の前縁に棘のような剛毛が等間隔で生えているのが特徴です。
防虫モニタリング時にライトトラップでチャバネトゲハネバエという種が結構捕獲されることがありますが、このハエは翅がうっすらと茶色いのが特徴です。

 

センチトゲハネバエは、屋内でも発生することが知られています。
セスジオオトゲハネバエは、秋から春にかけて鶏舎などで発生し、付近の人家に飛来します。

 

一般にハエの発生は盛夏に多く見られ、気温が低くなると減少する傾向にあります。
しかし、トゲハネバエは 5〜10 月の暖かい期間はほとんど姿を見せず、他のハエが姿を消す 11 月頃から出現し始めます。
トゲハネバエは夏季に発生しないのではなく、夏場は高温を避け冷涼な山間部に移動していると考えられています。
実際に山間部では、夏場でもトゲハネバエが捕獲されるそうです。

 

成虫は、鶏舎や畜舎などで多く見られるのですが、一般住宅にも普通に入り込み、便所や台所、居間の壁や窓ガラスに静止しているのを見ることが多いです。
製造工場にも多く飛来し、特に2〜4月の他の飛翔性昆虫が少ない時期に多く捕獲される傾向があります。
多い時期は30日間設置されたライトトラップの捕虫紙に数十個体捕獲される場合がありますが、これらは全て外部からの侵入であり、工場内部で多発生することはほとんどないと思われます。

 

ただし、トゲハネバエは飛翔力も弱くはないため、外部から侵入しても前室などで止まらず、さらに内部の重要管理エリアにまで到達する場合があります。
従って、間仕切り(パーティション)等を利用して物理的に昆虫の分散を防ぐことは非常に重要です。その際、ライトトラップ等で捕殺するとより効果的です。

 


トゲハネバエの一種の交尾シーンです。

トゲハネバエ対策


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