昆虫の生態を知って防除に役立てよう!

トビケラ

トビケラ

トビケラ目(毛翅目)に属する昆虫の総称です。

 

成虫の姿は一見蛾(ガ)に似ていますが、翅が鱗粉ではなく毛におおわれています。
触角は長い糸状で多数の節からなり、静止時はそろえて前方に伸ばします。
翅は静止時に屋根状にたたまれます。
成虫は光によく誘引されますので、ライトトラップにもよく捕獲されます。

 

幼虫は水生で、細かい砂や小石、落ち葉、草木片などを糸で綴り合せて造巣するものが多いです。
上流域のきれいで流れが速い川に多いですが、中流域の河川や用水路などにも生息しますし、池沼などの止水域から発生する種もいます。

 

蛹も水生で常に巣の中にいます。

 

水力発電や水田の害虫になる種や気管支喘息などのアレルゲンとなる種もありますが、異物混入防止の観点からは工場内への大量飛来を懸念しなくてはなりません。
特に川沿いに立地している工場で防虫モニタリングをしていると、夏場にトビケラが優占種となることがあります。

 

工場内でよく問題となるのはトビケラの中では比較的小さいヒメトビケラというグループの種です。体長は4〜5mmほどで、ライトトラップに大量に捕獲されることがあります。
この仲間が工場などの内部で発生することはほとんどないと思われますが、工場敷地内では発生可能と思っておいた方が良いでしょう。

 

工場敷地内に池沼や水路、側溝、雨水升、クーリングタワーなどがある場合は、それらが発生源になっている可能性があります。
可能であれば水の除去や清掃、殺虫処理などの発生源対策を実施しましょう。

 

工場のすぐそばに河川があるなど、発生源対策が困難な場合は侵入防止対策が必要です。
工場全域の光源管理(ライトコントロール)、屋外から重要管理エリアまでに間仕切りを多く設ける(ゾーニング)、陽圧化により屋内外の差圧を調整する(気流コントロール)、建屋全ての隙間を塞ぐ(バリア性向上)などで対応することになります。

 

また、成虫は光によく誘引されますので、ライトトラップによる補殺は有効です。

 


トビケラの一種の群飛シーンです。

トビケラ対策


ホーム RSS購読 サイトマップ
HOME 用語集 関連書籍 お役立ちツール お問い合わせ