有効積算温度(ゆうこうせきさんおんど)
昆虫が発育をとげるためには、発育に有効な一定の温度(有効な温度の時間積分)が必要とされ、それを有効積算温度の法則と呼びます。
昆虫は、それぞれの種について生活に適した温度の範囲(有効温度帯)があります。
それより高い温度帯や低い温度帯は発育に有効ではないのです。
発育零点(最低発育限界温度)と有効積算温度は、各種昆虫の個体群ごとに固有の値を持つので、これらの値と平均気温の季節変化から、ある土地における世代数や成虫の出現時期など季節生活環を推定することができます。
また、製品に混入した昆虫の混入時期の推定等に用いられることもあります。
有効積算温度は、発育期間中の平均温度とその昆虫が生育することの出来る最低の温度=発育零点(理論値)との差と発育日数との積で表され、適温帯の中ではほぼ一定値をとり、単位は日度となります。
有効積算温度は一般に次式で表されます。
(T - t0) D = K
T :発育期間中の平均温度
t0 :発育零点
D :経過日数
K :有効積算温度